アルコール消毒液・除菌スプレーは、条件を満たせば国際線飛行機の機内への持ち込みや預け荷物に入れることができます。
アルコール消毒液等を国際線飛行機に持ち込むときのルール
化粧品、医薬品、医薬部外品、食品添加物のアルコール消毒液
雑品(表示区分やアルコール度数が不明なもの)
アルコールが入っている液体は「酒」扱いだが、商品区分で変わる
アルコール消毒液は、航空法の危険物に該当するものがあるので持ち込み制限があります。
基本的な考え方として、アルコールが入っている液体は、どんなものでも一旦は「酒」とみなされます。
そして、アルコール濃度により「機内持ち込み」「預け入れ手荷物」ができるかが決まります。
ただし、アルコール濃度がどのようなものであれ消毒・除菌製品は、商品区分が「化粧品類」「医薬品・医薬部外品」を参考にすることになっています。
アルコール濃度の持ち込み制限を基準として表にしています。
アルコール濃度 | 区分 | 数量 |
---|---|---|
24%以下 | 化粧品・医薬品・医薬部外品 | 1容器あたりの500ml(0.5リットル)または0.5kg以下で、1人当たりの機内持ち込み量の合計が2リットルまたは2kgまで |
上記以外 | 制限なし | |
24%を超え、70%以下のもの | 化粧品・医薬品・医薬部外品 | 1容器あたりの500ml(0.5リットル)または0.5kg以下で、1人当たりの機内持ち込み量の合計が2リットルまたは2kgまで |
上記以外 | 一人あたり5リットルまで(詳しくはこちら) | |
70%を超えるもの | 化粧品・医薬品・医薬部外品 | 1容器あたりの500ml(0.5リットル)または0.5kg以下で、1人当たりの機内持ち込み量の合計が2リットルまたは2kgまで |
上記以外 | 持ち込み、預け入れ不可 |
商品区分が「化粧品」「医薬品」「医薬部外品」のアルコール除菌の製品
アルコール消毒液・アルコール除菌スプレー・アルコール除菌ジェル、ハンドサニタイザーは、引火性の液体「エタノール」が主成分です。
そのため、航空法での危険物に該当するので、持ち込みに制限があります。
一人当たりの制限と容器の大きさに注意
一人当たりの制限は、1容器あたり500ml(0.5リットル)または0.5kg以下で、1人当たりの機内持ち込み量の合計が2リットルまたは2kgまでです。(注意:上記1人あたりの数量は、①化粧品類、②医薬品・医薬部外品および③スプレー缶の合計数量となる)➡国土交通省 機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例参考
アルコール消毒液、アルコール除菌スプレー、アルコール除菌ジェルで持ち込めるもの具体例
アルコール濃度に関係なく、商品区分が「化粧品」「医薬品」「医薬部外品」であれば、飛行機に持ち込むことができます。
商品区分 | 具体例 |
---|---|
化粧品 | |
医薬品 | ・健栄製薬 消毒用エタノール(?) |
医薬部外品 | ・ビオレガード 薬用消毒スプレー ・ビオレ u手指の消毒液 ・資生堂 S 手指消毒用エタノール液 ・キレイキレイ 薬用ハンドジェル ・健栄製薬 手ぴかジェル ・花王 ハンドスキッシュEX |
https://item.rakuten.co.jp/ikurun/280309/ (確認すること)
機内に手荷物として持ち込む除菌製品はこちら
機内手荷物として持ち込むには、100ml以下の容器に入った液体物でなければなりません。
液体物の内容がわかるように詰め替えずパッケージのまま入れることで、どんな商品なのかがすぐに分かるので没収されずに済みます。
手ピカジェルの安全データシートはこちらからダウンロードしてください。
➡安全データシート | 健栄製薬株式会社 | 感染対策・手洗いの消毒用エタノールのトップメーカー (kenei-pharm.com)
預け入れ手荷物として預ける除菌製品はこちら
一人当たり2リットル又は2㎏以下(1人あたりの数量は、①化粧品類、②医薬品・医薬部外品および③スプレー缶の合計数量となる)、1容器あたりの500ml(0.5リットル)または0.5kg以下が預け入れ手荷物となります。
アルコール除菌以外のものも持ち込むと仮定して、1個当たり500ml以下のものを選びました。
手ピカジェルの安全データシートはこちらからダウンロードしてください。
➡安全データシート | 健栄製薬株式会社 | 感染対策・手洗いの消毒用エタノールのトップメーカー (kenei-pharm.com)
アルコール濃度が24%超え、70%以下のもので商品区分が化粧品・医薬品・医薬部外品ではないもの
アルコール濃度が24%超え、70%以下の液体物で商品区分が「化粧品」「医薬品」「医薬部外品」ではないものは「酒」です。
商品区分が「化粧品」「医薬品」「医薬部外品」と記載されていないため、実際に飲める、飲めないは関係なく「酒」扱いとなります。
アルコール度が24%を超え70%以下のもの(化粧品・医薬品・医薬部外品ではないもの)は、一人当たり5リットルの機内持ち込み数量制限があります。
しかし、酒は国別の持ち込み制限があります。
酒は相手国の持ち込みできる量、年齢制限も日本とは異なるので注意してください。(※日本から5リットルの機内持ち込みができても、相手国の制限量が1リットルなら4リットル分は破棄)
以下は代表的な国のお酒の持ち込み制限です。
国別のお酒持ち込み制限一覧
国名 | 制限量 | 年齢制限 |
---|---|---|
アメリカ | 酒類1ℓ | 21歳以上 |
フランス | 22度を超えるアルコール飲料1ℓ | 17歳以上 |
イギリス | 22度を超えるアルコール飲料1ℓ | 18歳以上 |
オーストラリア | 酒類2.25ℓ | 18歳以上 |
タイ | 酒類1ℓ | 20歳以上 |
中国 | 酒類2本(1本0.75ℓ以下) | 18歳以上 |
台湾 | 酒類1本(1ℓ) | 20歳以上 |
韓国 | 酒類1本(1ℓ以内) | 21歳以上 |
国土交通省のホームページで液体物の持ち込み制限を確認したい
旅客が飛行機に持ち込める荷物については、航空法や国際民間航空機関(ICAO)の取り決めにより、世界共通の基本ルールが決まっています。
国土交通省の「国際線の航空機客室内への液体物持込制限について」はこちら➡ 国際線の航空機客室内への液体物持込制限について
また、下記の点についても注意が必要なこともあり、利用する航空会社への確認がおすすめです。
- 国により持ち込める荷物が異なる
- 各航空会社により手荷物について独自の規制を設けている場合がある
アルコール消毒液などを飛行機に持ち込むときのよくある質問
「アルコール消毒液」でよくある質問をまとめました。
アルコールが入った除菌シート(ウエットティッシュ)は、どのようになりますか?
アルコールが入った除菌シート(ウエットティッシュ)は、アルコールとの記載がありますが液体物の規制対象外です。(航空会社に確認済み)
透明のプラスチック袋に入れなくも問題がありません。
アルコール消毒液を別の容器に詰め替えて持ち込めますか?
アルコール消毒液を詰め替えると、元のラベルがないので何が入っているか分かりません。
説明をしてもそれが本当かの判断ができないので破棄される可能性が高いです。
持ち込む際には別の容器に移さず、そのままの状態が安全です。また、安全データシート(SDS)も忘れずに印刷したものを携帯してください。(英語版)
アルコール消毒液の安全データシート(SDS)とは何ですか?
日本から出国する場合、保安検査場の人は日本の製品がわかるのでアルコール消毒液であることは分かりますが、海外からの帰国の場合、持ち物がアルコール消毒液かどうかの判断ができずに破棄されてしまう可能性があります。
安全データシート(SDS)は、その製品が危険物であるかどうかの確認をすることができます。(メーカーのホームページからダウンロード可能)
海外から出国するときのことも考えて英語版を印刷し、アルコール消毒液と一緒に携帯してください。
アルコール消毒液ではないけれど、クレベリンは飛行機に持ち込める?
クレベリンのメーカーでもある大幸薬品では【クレベリンシリーズの航空機での扱いについてのご案内】を出しています。
■『クレベリン 置き型』
https://www.seirogan.co.jp/press/info/index/2020?id=arrival_569より引用
成分の『二酸化塩素』が 航空法上の『搭載禁止物質』に指定されています。また成分の『亜塩素酸ナトリウム液』は『危険物』にあたるので、手荷物および預け荷物のいずれでも、航空機に載せることはできません。
■『クレベリン スティック ペンタイプ)、『クレベリン スティック フックタイプ』
https://www.seirogan.co.jp/press/info/index/2020?id=arrival_569より引用
成分の『亜塩素酸ナトリウム液』は『危険物』にあたるので、手荷物および預け荷物のいずれでも機内持ち込みはできません。
上記の「クレベリン 置き型」「クレベリン スティック ペンタイプ」「クレベリン スティック フックタイプ」は、飛行機に搭載できない「危険物」が成分に入っている商品があるので、持ち込みができません。
コードシェア便の場合、どのようになりますか?
コードシェア便の場合は、運航する航空会社の手荷物ルールが適用になる場合があります。
運航する航空会社に詳細を確認してください。
目的地まで飛行機を乗り継ぐ場合、どのようになりますか?
液体類の取り扱いは乗り継ぎ国のルールが適用されます。
日本のルールとは異なるので注意してください。
詳しくは利用する乗り継ぐ国の大使館に詳細を確認してください。