インスリンは機内持ち込みできます

インスリンを打つための注射器やインスリン製剤、血糖値測定器は、基本的に持ち込みできますが、日本の航空会社と外国の航空会社とでは対応が大きく異なります。
航空会社 | 事前の申請が必要か | 糖尿病食 | 書類・証明書 |
---|---|---|---|
日系(ANA&JAL) | 不要 | あり | 要書類(保安検査用※) |
外国航空会社 | 必要 | あり | 要書類(保安検査用※) もしくは診断書提出 |
※保安検査用の書類は、糖尿病手帳や英文診断書などです。
外国航空会社への事前申請は、予約した旅行会社もしくは航空会社の予約センターに電話などで持ち込む申請をする必要があります。その際に、必要な書類を確認しましょう。
なお、航空会社で答えてくれるのは、「機内に持ち込んでいいかどうかの判断」です。旅行する国に持ち込んでよいかどうかの判断をしているわけではありません。そのため、旅行する国には、次の添付文書が非常に重要になります。
薬(インスリン)の添付文書は重要!!
薬品を海外に持ち出すことになるため、製剤の添付文書(日本語・英語)の準備を強くおすすめします。
海外の保安検査場で、英語もしくは現地語で正しい説明ができないために製剤と理解されず危険物と見なされ廃棄させられる場合があるからです。
製剤と証明するため、英文添付文書があれば海外でも誤解を受けることがありませんし、現地で薬剤と証明できない場合、現地警察などから拘束される可能性があるからです。
添付文書の日本語版は添付されていたり、ネットからダウンロードできます。英語版もダウンロードできます。
ネットがない、英語が心配で不安な場合は、調剤された薬局で手配できるので、かかりつけ薬局に相談しましょう。
糖尿病用の特別機内食があります
機内食には、糖尿病食(DBML)や低カロリー食(LCML)などもありますので特別機内食を事前予約が可能です。
機内特別食の詳細は、別記事をご覧ください。
▼機内特別食(スペシャルミール)の種類と予約方法▼

その他の注意点は?
肺塞栓(いわゆるエコノミークラス症候群)になりやすいリスクが高いため、こまめな水分補給を心がけましょう。
また、アルコールも控え、通路側の席を指定し意識して、急な揺れに注意しながら動くことも必要です。
長距離路線の場合は、食事のタイミングがいつもと異なってしまいます。
時差を考慮し、インシュリンンタイプの変更を主治医と相談することをお勧めします。
インスリンポンプは飛行機で使用できますか?
自動的にインスリンが注入されるメドトロニック社製(medtronic)などのインスリンポンプは、医療機器に該当するため国内(ANAは除く)・国際線問わず医師の診断書が必要になります。
「医療機器」を使用するため、同じインスリンを注入する注射器とは異なり、診断書が必要になります。また、航空会社に持ち込みの申請も必要になります。
診断書の他に、持ち込み申請に必要な情報としてインスリンポンプのメーカー名・型番・大きさと重さ(縦、横、厚み)・耐空証明の承認番号・電池種別(アルカリ電池やリチウムイオン電池等)の情報が必要です。
メーカーのホームページや取扱説明書を確認しておきましょう。
飛行機に乗っている間だけ、インスリンポンプを使用しない(チューブもすべて取り外して)持ち込むのであれば、普通の電子機器の持ち込みと同じ扱いなので、診断書は不要ですが、航空会社への医療機器の持ち込み申請は必要です。
但し、チューブを体に取り付けた状態では、医療行為中と判断され、診断書が必要になります。さらに航空会社への持ち込み申請は必要になります。(インスリンポンプを使用するのと同じ申請方法になります。)
保安検査のボディスキャナーに注意
新千歳空港・茨城空港・羽田空港・成田空港・中部国際空港・関西国際空港・福岡空港などの主要空港の保安検査場では、ボディスキャナーを使用して保安検査を行っています。
機器の故障予防の為、インスリンポンプは、ボディスキャナーや手荷物X線検査が受けられません。
メーカーホームページからエアポートカード(日本語と英語の2か国語になっています)をダウンロード、印刷して保安検査場で見せられるように用意しましょう。
インスリンポンプの機内での使用は、制限が多いのでどうしても常時使用する場合は、日系(JAL&ANA)のフルサービス航空会社を利用しましょう。
CGMは飛行機で使用できますか?
持続グルコースモニタリング機器のCGM機器は、申請をすると機内に持ち込むことができます。
ただし、機内で使用する場合、機器のモニター方法の方式により使用できないことがあります。
使用している機器のセンサーが「有線」「非接触/無線/Bluetooth」によって変わります。
有線 | 非接触/無線/Bluetooth |
---|---|
常時使用可能(許可された場合) | 飛行機のドアが閉まったら、本体の電源オフが必要 |
非接触や無線タイプのCGM機器は、センサーと本体との通信にBluetoothや同じ周波数帯を使用した電波を使用しています。
機内での電波使用は、たとえ医療機器であったとしても航空保安法によって制限がされており、「安全な利用(機内モードを使うなど)」にしていなかった場合、50万円以下の罰金が課せられることがあります。
利用する機材によっては、Bluetoothであっても常時使用できない機材もあります。
なお、機器の故障予防の為、CGM機器は、ボディスキャナーや手荷物X線検査が受けられません。
保安検査は、金属探知ゲートにも反応するので、保安検査員による目視検査が必要で時間がかかることも覚えておきましょう。
CGM機器は、機内で使用するための制限が多いため、飛行機に乗るときには体から取り外して、現地到着後に装着しましょう。
インスリンポンプ機内持ち込みのまとめ
インスリンポンプは、医療機器の為、航空会社毎に対応が異なる場合が多いので、必ず航空会社に確認が必要です。
もし、航空会社未定のツアーの場合でも旅行会社に事情を説明し、必要な手配を旅行会社経由で行うか、航空会社の予約センターに電話などで持ち込む際の注意点を確認する必要があります。
インスリンポンプ療法JP インスリンポンプのメーカーのホームページです
http://www.medtronic-dm.jp/index.html